暑い夏がやって来ると、つい冷たい飲み物に手が出てしまいます。

自販機で買う飲料の多くは500mlのサイズが多いため、その場で飲み干すのは中々難しいものです。

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そのため大概は、飲み残しを持ち歩いて飲むか、家に持ち帰ってから飲む人が多いようです。

しかし、これには意外な落とし穴が潜んでいる場合があります。

それは、特に夏場に多くなる「食中毒」の危険があるのです。

飲み残しには、どんな問題が?

怖がらせるつもりはありませんが、飲みかけのペットボトルボトル飲料は、菌に汚染されていると考えた方がいいでしょう。

飲みかけや飲み残しのペットボトル飲料が、菌に汚染されるケースの1つの要因は、直接口を付けて飲む場合の「口中菌」による汚染です。

もう1つには、飲み口を手で触る場合の「付着菌」による汚染です。

そして3つめは、ごく稀なケースですが、大気中を飛散する「浮遊菌」や「落下菌」による汚染です。

通常、菌に汚染された直後はあまり問題にはなりません。深刻な問題を惹き起こすのは、汚染された飲み物を長時間持ち歩いた場合などに、菌が繁殖してしまった場合です。

菌の繁殖条件

飲みかけや飲み残しのペットボトル飲料が菌に汚染された場合に問題となるのは、長時間持ち歩いている間に菌が繁殖する可能性があることです。菌の繁殖に必要な条件は以下の3つがあげられます。

  1. 水分があること
    菌が繁殖するためには、通常80%以上の水分が必要です。飲料から水を抜く訳には行きませんので、これはどうしようもありません。
  2. 栄養があること
    大多数の市販飲料には、栄養分となる糖分などが含まれています。糖分濃度が高い場合には繁殖は抑えられますが、市販飲料の場合は約5~10%前後ですから繁殖には十分な濃度です。
  3. 適温になること
    一般的な菌は、35~38℃位で繁殖するので、長時間持ち歩くと格好の温度に近付きます。因みに、10℃以下や60℃以上ではめったに繁殖することはありません。

上に示したのは、菌の繁殖に関する必要条件です。

菌の繁殖スピードや時間は、菌の種類によって異なります。

一般的な食中毒を起こすビブリオ菌の場合、1個の菌が2個に増殖するまでの時間は約8分、大腸菌の場合は約20分、酵母菌の場合は約40分位です。

ビブリオ菌の場合でみると、単純計算では約2時間で3万数千倍になります。

つまり、数個~10数個の菌で汚染されると、約2時間で十分に食中毒を起こすまでに増殖してしまいます。

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食中毒の原因

食中毒を引き起こす主な原因は、細菌とウイルスです。

これらは、何れも目で見ることはできません。

細菌の場合は、繁殖条件が揃うと飲食物の中で増殖し、それを飲食することによって食中毒を発症します。

一方のウイルスの場合は、低温や乾燥した環境でも生存することができ、食べ物に付着した状態で飲食物を摂取すると、人の腸管内で増殖を始め食中毒を引き起こします。

参考に食中毒を惹き起こす菌やウイルスについて、その主なものを表にしてみました。

菌・ウイルス名

特徴 症状
サルモネラ菌 自然界に広く分布し、家畜やペットも保菌している。低温や乾燥にも強い。 感染から半日から2日後に吐き気や腹痛が起こり、38℃前後の発熱と下痢を伴う。症状は1~4日で回復する。
黄色ブドウ球菌 自然界に広く分布し、人の皮膚などにも生息する。食品の中で毒素を産生し食中毒を起こす。熱や乾燥に強い。 感染から3時間以内に発症する。吐き気や下痢を催し、ほぼ24時間で回復する。
ボツリヌス菌 缶詰・真空パックなど無酸素状態で増殖する。熱や消毒薬にも耐性があり、感染すると致死率も高い。 発熱は無く、吐き気、脱力感、めまいが起こる。重篤な場合は、呼吸困難に陥り死に至る場合がある。
ウェルルシュ菌 熱耐性が強く1時間位煮沸しても死滅しない。無酸素状態で増殖する。 感染から12時間位で発症する。下痢を起こすが、腹痛は少なく、1~2日で回復する。
セレウス菌 症状には嘔吐型と下痢型の2種類ある。熱耐性があり、調理過程では死滅し難い。 嘔吐型は1~5時間で激しい吐き気を催し、下痢型は8~16時間で激しいは気を催し下痢が続く。
ノロウイルス 少量で感染し、発症率が非常に高い。感染力が強く人の手指など介して感染するが、空気感染する場合がある。 感染から1~2日で発生し、吐き気、下痢、腹痛を起こす。38℃前後の発熱を伴い、脱水症状を起こす場合がある。

最後に

ペットボトル飲料の飲み残しや飲みかけを長時間持ち歩く行為は、食中毒にとってリスクが高いことがお判り頂けると思います。

菌の繁殖を避けるためには、温まる前に時間を置かないで飲むことです。

どうしてもそれができない人は、もったいないけど潔く捨てることが必要かもしれません。