自治体が定期的に行う検診とは違う「発達検査」とは、医師が発達障害の確定診断をするための参考にしたり、療育や支援をする際にその方向性を見定めるために行われるものです。

その種類は多数あり、ここでは現在多く用いられている検査を3種類ご紹介します。

6d7a1687c3ed5026f0951f46ba375bcf_s_070818_110818_PM

その内容や受検方法、また結果からわかることなどについてのお話です。

発達障害が疑われているお子さんや、すでに診断のあるお子さんも、適正な療育や支援を受けるために定期的に受検をしましょう。

検査の種類

知能検査

精神年齢(IQ)がわかります。

1.田中ビネー(ビネー式)

現在は「田中ビネー知能検査V」が最新版です。

対象年齢は2歳から成人まで。実施時間は45分~60分。

「思考」「言語」「記憶」「数量」「知覚」などの問題から、物事の理解力・知識力・課題をこなす力・認知能力などを検査します。

検査員一人と子供一人が個室で行いますが、子供が小さいうちは両親の同席も可能です。

2.WISC(ウェクスラー式知能検査)

対象年齢は5歳~16歳11か月まで。実施時間は60分~90分。

検査より算出された4つの指標(言語理解指標(VCI)、知覚推理指標(PRI)、ワーキングメモリー指標(WMI)、処理速度指標(PSI) )より、全検査IQ(FSIQ)が算出されます。

検査員一人と子供一人が個室で行います。5歳以上となっていますが、口頭の質問に口頭で答える問題が多いため、言語能力に遅れがある場合は幼い頃に実施しても的確な結果がでない可能性があります。

また検査時間が長くなることもあり、子供の集中力が続かず低い点数になることもあります。

3種の検査の中では一番難しい内容になるので、年齢が低い時に無理に受けることはありません。

発達検査

発達年齢(DA)や、発達指数(DQ)がわかります。

3.新版K式

発達検査では最も代表的な検査です。

乳幼児が受けることができるので、乳児検診などで「発達テスト」と言うのは、この検査にあたります。

対象年齢は生後100日~成人まで。実施時間は15~45分。

「姿勢・運動(P-M)」「認知・適応(C-A)」「言語・社会(L-S)」の3領域から評価します。

乳幼児には身近な積み木やガラガラなどを使い、言語反応や感情・動作・情緒なども観察し総合的に判断されるので、身体機能や社会性を含めた幅広い検査結果が出ます。

スポンサーリンク

検査結果の見方

田中ビネー

  • 130以上:極めて優秀
  • 120~129:優秀
  • 110~119:平均の上
  • 90~109:平均
  • 80~89:平均の下
  • 70~79:境界線(ボーダーライン)
  • 70未満:知的障害

WISC

  • 80~120:平均
  • 70~79:境界線
  • 69以下:遅れが認められる

新版K式

検査時の実年齢を100とした数値が算出されます。

例えば、3歳0か月で検査を受けて90と結果がでた場合、3年×12か月=36か月を100とし、90は32か月となり、発達年齢は2歳8か月となります。


検査を受ける方法・療育手帳について

受付機関

子育て支援センター・児童相談所・保険センター・発達障害者支援センター・医療機関などで受検できます。

医療機関で医師が必要と判断して行う場合は保険が適応されます。

他の機関では補助金を受けることができる自治体もありますので、問い合わせてみてください。

どの検査も1度受けると一定の経過観察期間をおかなくてはいけません。

子供がその内容を覚えていて正しく結果が出なかったり、伸びしろが分かりにくくなるためです。

経過観察期間(検査の種類や受検機関によって多少違います。)

  • 1歳~3歳:3か月以上
  • 3歳~7歳未満:6か月~1年以上
  • 7歳以上:1年~2年以上

療育手帳について

療育手帳を発行する際に用いる検査は自治体によって違い、「田中ビネー」もしくは「新版K式」を採用しています。

自治体によって70もしくは75以下で手帳が発行されます。

手帳の発行や更新には、発行しているところで受けた検査結果が採用されますので、他で受検する時は、手帳の更新(2年に一度)に経過観察期間かからないように注意しましょう。


結果について、まとめ

発達検査を受ける意味は、発達障害の確定診断を行うものではありません。

診断に際しては育成歴や行動観察などの臨床診断も行い総合的に診断されます。

発達検査を受けることで子供の性格の特徴や発達の凹凸がわかり、より良い療育や支援・教育を行うことができたり、日常生活での接し方のヒントを得たりすることができます。

そして子供の持っている能力をより発揮させ、自信を持たせることにつながります。

もしお母さんに我が子の成長について不安があるようであれば、検査が必要かどうかの判断は素人では出来かねますので、まずは検査が受けられる機関へ相談をしてみてください。

また特に乳幼児は、検査時の体調や機嫌によって結果にバラつきがありますから、検査結果が絶対的なものと思わないようにしましょう。

また結果はあくまで、「現状ではここまでの成長。」というふうに受け止めてください。

子供はこれからも成長を続けていきます。

今の検査結果が全てではありません。