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発達障害児が、支援級から普通級へ、普通級から支援級へ変わるとき。

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小学校へ入学する時に、「支援級からスタートして、後に成長に合わせて普通級へ変わろう。」または「普通級でスタートするけれど、難しいようであれば支援級へ変わろう。」などと、途中で変わることを考慮して入学する児童も多数います。

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では実際に変わることでどんな変化があるのか、その子にとっていつ変わるのが良いのか、ということを悩むご両親も多いことでしょう。

ここでは、障害児を持つママたちの話を色々と聞いた筆者が感じたことをまとめます。

目次

普通級と支援級の違い

人数

ひとクラスの人数は文部科学省によって決められています。普通級は40人(1年生は35人)で、支援級は8人です。

基本はひとクラスに先生は1人ですが、支援級や1年生のクラスには補佐の先生が付くこともあります。

先生

特別支援学校の教員は障害についての専門の知識を持っていますが、普通の小学校の教員は持っていません。支援級の担任であっても小学校教論の資格のみです。この資格を取得するのに、実習を含めて特別支援学級教育はありません。

なので支援級の先生は普通級の先生と変わらない知識で教育を行っています。

どちらの学級でも受けられるサポート

特別支援教育コーディネーターへの相談

支援が必要な児童に対して適切な対応をするために学校内の教員が指名されています。

福祉・医療機関等とのやりとりや調整・保護者からの相談窓口・教員からの相談窓口・学校内の支援の充実を推進する、などの役割を担っています。

学級担任や教科担任が兼ねていることもあり、専任化することが課題とされています。

スクールカウンセラーへの相談

臨床心理士や精神科医が子供と保護者の心のケアを行います。不登校・いじめ・家庭環境・友人関係などについての相談ができます。

設置率は小学校で12.9%と少なく、設置率を上げることが課題となっています。(中学校・高校の設置率は100%です。)

支援級の種類

障害の種類と程度

  • 知的障害:日常生活に一部援助が必要。社会生活への適応が困難。
  • 肢体不自由:日常生活の基本的な動作に軽度の困難がある。
  • 病弱、身体虚弱:慢性の呼吸器疾患または継続的な身体虚弱がある。
  • 弱視:拡大鏡等を使用しても視覚の認識が困難。
  • 難聴:補聴器等を使用しても通常の話声が聞き取れない。
  • 言語障害:機能的な構音障害。言語機能の発達の遅れが著しい。
  • 自閉症、情緒障害:他人と意思疎通及び、対人関係の形成が困難。社会生活への適応が困難。

以上7つの学級があります。普通級ではなく支援級を選ぶ基準としてあげられていますが、周囲のサポートによって障害のレベルも変わってくるので、この基準が全てではありません。

また実際には人数が少ないと、違う障害でも同じクラスで学ぶこともあります。

クラスを変える

支援級から普通級へ

それまで少人数の中で過ごしてきた児童が、その3倍以上の人数の中に身を置くことはとても大きな環境の変化です。

そんな大きな変化に適応するには、以下のことがあると安心です。

  • 一部の教科を普通級で受ける経験をたくさん積む。
  • 同じクラスに仲良しのお友達や同じ通学団の児童がいる。
  • 先生の指示が解らなかった時などに、気軽に聞けるお友達が近くの席にいる。
  • 真似をすれば上手くできる。というお手本となるお友達がいる。など。

先生だけでなく周りの子供たちのサポートが期待できるなら、環境が変わっても楽しく通うことができるでしょう。

勉強はもちろんですが、友達関係が上手く築けないことは不登校やいじめに直結します。特に女の子の場合はグループで連れ立って行動することが多く、仲良しグループが作れるような配慮をしてあげてください。

普通級から支援級へ

勉強や友達関係で問題があって変わることがほとんどなので、心のケアが大切になります。「みんなと同じようにはできなかった。」ということがその子の自尊心を傷つけてしまうと、支援級で楽しく過ごすことはできません。

その子がより楽しくのびのびと過ごすために変わる。その子の個性を大切にするために変わる。というポジティブな考えを、まずは親がしっかりと持ってください。

そして子供への愛情表現をたくさんして、自己肯定感を持って支援級へ変われるようにすると良いようです。

変わる時期

低学年で変わる場合

勉強面や友達関係などを考慮すると、低学年のうちに変わるほうがスムーズです。

その一方で、低学年のうちは他の子供と様子が違う児童に対して中傷や暴言を吐いてしまう子もいます。暴言を吐いた本人はケロッとしているし、言われたほうもさほど気にしていないことも多々ありますが、お互いに未熟なために思ったことをそのまま言葉にしてしまい、不要に傷ついたり、あらぬ方向へ問題が発展してしまう可能性もあるので、教員や親など周囲の大人たちのきめ細かいサポートが必要です。

高学年で変わる場合

勉強は3年生からレベルアップするので、それ以降に支援級から普通級へ変わる時は、それまでに十分な準備をしましょう。授業のペースも早くなるので、ついていける訓練も必要です。無理をして、それまで楽しく通っていた学校が苦しいものになっては本末転倒です。高すぎないハードルを設けてあげてください。

友達関係においては、支援級から普通級へ変わる場合もその逆の場合も、少し変わった面がある児童に対しては、面と向かってでなはくお友達同士で囁くようにもなります。なんとなくよそよそしい。というような雰囲気になることもあります。障害児の性格によっては辛い経験にもなりますので、少なくていいので仲の良いお友達ができるように促してください。間違ってもいじめに発展しないようにしたいです。

特に登下校時は教員の目がないために一番トラブルが起きやすいので、付き添いや信号交差点での立ち合いなどの親の見守りでフォローしましょう。

最後に

支援級から普通級へ、普通級から支援級へ、変わるか変わらないか、どっちが正解か、どちらの選択も一長一短で、それは正解でも不正解でもありません。

より良い道を選び、その環境から受ける刺激を選ぶ。ということです。

毎日の生活は同じようで、日々少しずつ変わっていきます。担任・特別支援教育コーディネーター・両親・クラスメイトの親たち、みんなで見守っていけるよう普段からコミュニケーションを密に取り、最適な支援ができるように情報を共有してください。

支援が必要な子もそうでない子も、成長過程であることは同じです。日々成長する姿を地域全体で見守っていけたらいいですね。

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