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中秋節の由来と月餅と、中秋節に中国を旅するなら外せないスポット!

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夏の暑さも落ち着いて、涼やかな虫の声が聞こえて来ると、秋の訪れを感じます。

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空が澄んで、風も気持ちの良いこの季節、中国には、中秋節という月を眺める行事があります。

旧暦の8月15日、現在の暦では9月の中頃にあたります。

日本にもお月見の文化がありますが、中国や台湾で行なわれる中秋節の行事には、また違った意味合い、祝い方があるようです。その様子を少し調べて見ました。

目次

実はロマンチック「中秋節の物語」

中秋節の始まりは、こんな故事に由来しています。

昔、昔、そのまた昔、10の太陽が一度に空に現れたことがありました。大地は荒れ果て、海は干上がり、人々は暮らしを立てることすらできなくなりました。このころ后羿(ゲイ)という勇敢な若者がいました。その力は万斤の宝の弓を引くことができ、どのように恐ろしい獣でも射ることができたといいます。彼は人々の苦しむ様子を見て宝の弓と神の矢を持って一気に九つの太陽を射落としました。最後の太陽は許しを乞い、后羿が怒りを静め弓を納めて、太陽に人々のために決まった時間に昇り、沈んでいくことを約束させました。

后羿の名前は天下にとどろき、人々は彼を敬いました。その後彼は嫦娥(じょうが)という娘を嫁に取りました。嫦娥はとても美しく、そして穏やかで、聡明な女性でした。二人の仲はむつまじく、幸せに暮らしていました。とくに嫦娥は心やさしく、常々夫の狩ってきた獲物をみなに分け与えており、人望も厚いものがありました。そしてみなは、后羿はよい嫁をもらったとうわさしておりました。

ある日、狩の途中で后羿は一人の年老いた道士に出会いました。老道士は后羿の人となりに感服し、一包みの不老長寿の薬を与えたのでした。この薬を飲めば不老長寿を得ることができ、天に上り仙人になることができるのです。しかし后羿は妻や自分の周りの人々とはなれて一人天に赴こうとは思いませんでした。家に帰ると不老長寿の薬を嫦娥に渡し、つづらの中にしまわせたのでした。

このころ、后羿のもとには、彼の威名をしたって多くの人たちが集まっていました。その中に蓬蒙(ほうもう)という悪賢いものがおりました。蓬蒙は不老長寿の薬を奪い、自分で飲んで仙人になろうと考えたのです。

その歳の8月15日、后羿は弟子たちを連れて狩に出かけていました。夕暮れ前に蓬蒙はひそかに戻り、嫦娥の部屋に忍び込み不老長寿の薬を渡すよう嫦娥に迫ったのです。嫦娥はやむにやまれず薬を全部飲んでしいました。すると彼女の体は突然軽くなり、窓を抜け出し、一直線に空高く舞い上がったのです。しかし彼女の夫を思う気持ちは強く、地上から一番近い月に彼女は降り立ちました。

后羿が家に戻ったとき、すでに妻・嫦娥の姿は見えませんでした。侍女の話でようやく后羿は事の次第を知ったのでした。急いで外に出て月を見てみると、月はいつもよりも丸く、いつもよりも輝いて見えました。それは愛する妻が自分を見守ってくれているようでもありました。彼は覚悟を決めて月を追いかけました。しかしどうしても月にたどり着くことはできません。后羿は妻を思うと心張り裂けんばかりでした。彼は庭に嫦娥の好きだった果物などをおき、彼女を祭りました。近くの人たちもそれにならい、果物をのせたテーブルを供え心やさしい嫦娥をしのんだのでした。

『中国まるごと百科事典』

中秋節の由来には諸説ありますが、この夫婦の愛の物語が良く知られています。

現代の中秋節は団らんの日

中国の中秋節は、月が丸いことを家族円満とかけ、家族や親しい友人などが集まり、お祝いをします。

一家団らんの象徴である丸くかたどった月餅(げっぺい)、ハスの花の形に切った西瓜(すいか)を供え、一年で一番美しいとされる中秋の名月を拝みながら月餅を食べるのが習わしです。

この月餅は、中秋節にはなくてはならないもので、日本でいうお中元・お歳暮のように、日ごろお世話になっている方々に月餅を贈る習慣があります。

この時期になると、毎年、月餅商戦が始まり、月餅を買い求める人で街は混雑します。

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月餅の種類は多種多様で、大きさや材料、中に詰める餡(あん)は中国各地で異なります。

塩漬けしたアヒルの卵が入っているものが人気ですが、日本人にはあまり馴染みのない味かも知れません。

他にも小豆餡、ハスの実の餡やナツメ餡など様々な餡の月餅がありますが私はハスの実の餡が一番好きです。

こってりした白餡?のような感じです。

他にも、月餅の形のアイスとか、月餅の形だけど実はチーズとか、変わりダネもいろいろ出て来ています。

中国のスターバックスでも、コーヒー味の月餅を出しています。期間限定なので、機会があればぜひ食べてみたいですね。

中秋節の時期に中国旅行するなら!

桂林

日本のツアーでも人気の観光地ですが、中国人に聞いても「一度は行った方が良い」と言われる絶景スポットです。

「水の底に明月があり、水上にも明月が浮かぶ。水が流れても月は流れず、月が去っても水は流るる」という句が謳われるほど。

水墨画で見たような風光明媚な景色と、磨き上げたような満月を楽しむ事のできる場所です。

上海

大都会上海では、また違った楽しみ方が出来ます。

毎年、中秋節には、市街中心にある大きな公園(世紀公園)で花火大会が開催されるのです。

上海の派手な花火や夜景にも負けず輝く月を眺めながら、大切な誰かと一緒に、ずっと仲良くいようねという気持ちで過ごすのも良いのでは無いでしょうか?

絆を思い出させる中秋節

こうして中秋節の事を知ると、そこに含まれるいろいろな想いにも気づかされます。

以前、中国人のお友だちから急に月餅が送られてきて、少し驚いた事があったのですが、あれはお世話になった人へのお中元の様な物だったんだなと、今頃気が付きました。

そのお友だちは、中秋節になると遠く離れた実家の家族を思い出すとも言っていました。

まんまるの満月が、彼女に少し寂しい顔をさせていた理由がようやく分かりました。

家族や友だちとの繋がりの大切さを思い出させてくれる、中秋節。

そんな気持ちを思い出しながら、次の満月を眺めたいと思います。

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