毎週日曜日20時から、NHK総合他にて放送中の大河ドラマ「おんな城主 直虎」。

2017年8月20日、第33話「嫌われ政次の一生」が放送されました。

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今回の「嫌われ政次の一生」というサブタイトルの元ネタは「嫌われ松子の一生」ですね。たぶん。2003年に発表された山田宗樹の小説で、2006年に中島哲也監督により中谷美紀主演で映画され、同じく2006年に内山理名主演でテレビドラマ化されています。

前回は、小野但馬守政次(高橋一生さん)が、虎松(寺田心さん)の偽首を出すことで今川に井伊が断絶したと見せかけることに成功。

徳川家康(阿部サダヲさん)には、井伊直虎(柴咲コウさん)が全ての経緯を伝え、井伊谷城の城主となっていた政次が、城の明け渡しをする予定でした。ところが、道案内として家康に調略されていた、菅沼忠久(阪田マサノブさん)、鈴木重時(菅原大吉さん)、近藤康用(橋本じゅんさん)の井伊谷三人衆が城の明け渡しに現れ、政次が城門を開けた瞬間、徳川軍に向かって、矢が放たれたのでした。

直虎が「罠じゃ!逃げよ!」と政次に知らせ、政次は城門を閉めた…というところで終わりました。

さてさて、政次の運命はいかに?

前回の第32回「復活の火」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。

おんな城主 直虎 第32回のあらすじとネタバレと感想。

それでは、第33回「嫌われ政次の一生」のあらすじと感想です。

政次、隠れ里へ退避

井伊谷城の中にいた家臣たちは、約束と違う事態に戸惑います。政次は、急いで川名の隠し里へ向かうよう指示します。政次は屋敷に戻り、なつ(山口紗弥加さん)と亥之助(荒井雄斗さん)を迎えに行き、隠し里へ逃げました。

近藤は、「手向かいはせぬとのお約束では?」と直虎に聞きます。

徳川の使者、酒井忠次(みのすけさん)は、「門を開けられよ!話はそれからじゃ!」と言います。直虎は、家康からもらった書状を酒井に見せ、「約束通り城を明け渡したので、家名を再興して欲しい。」と言います。近藤が話に割って入って、「手向かいをしない約束だったであろう。矢を射かけておいて何を?」と言います。

直虎は、あくまで「井伊はやっていない。」と言い張ります。実際矢が放たれた以上、井伊には不利です。

直虎は、「今川の野武士か、井伊がやったと見せかけたいどなたかが、謀られたのかも。」と言いますが、酒井は、「但馬守がやったのでは?今川の犬だという話ではないか?」と直虎の話に聞く耳を持ちません。

小野の評判はとても悪く、何を言っても信じてもらえません。政次を逃がしたこともあり、直虎は牢に入れられました。

川名の隠し里に着くと政次は、井伊谷城での状況を、祐椿尼(財前直見さん)、あやめ(光浦靖子さん)らに説明します。直虎は城に残り、徳川との談判を続けている。必ず何とかすると政次は二人に言います。祐椿尼は、直虎と政次に任せる、と言うのでした。

龍潭寺では、中野直之(矢本悠馬さん)が、南渓和尚(小林薫さん)に、矢を放った近藤の家臣を捕まえたが、自害されてしまったと話します。一方、傑山(市川隼人さん)が、山で刺さらない矢を数本拾ってきていて、一同は、近藤の狂言の用意周到さを知ります。

直之は、政次が、城に直虎を置いていき、直虎が牢に入れられたことを知ると、政次への怒りを露にします。南渓和尚は、直之に頼みごとをするのでした。

家康の裁断

家康の本隊も井伊谷城に入りました。井伊谷三人衆は、時間がかかったのは、自分たちの兵が襲われたからだと説明します。近藤は、「襲ったのは、小野の者ではないか。」と話します。

鈴木は、「井伊の殿はお許し願いませんでしょうか。出家の身でありますし。」と口添えします。しかし近藤は「井伊の殿に罪がないなら、小野但馬には罪を償うてもらわねば、示しがつきませぬ。」と鼻息荒く意見します。近藤はどうしても政次に死んでもらいたいようです。

家康は「ご苦労でござった。あとはこちらで致そう。」と三人を下がらせます。三人の話を聞いて家康は、「この騒ぎ、あの者どもが謀ったということはないか。どうもうさんくさい。」と罠に気づいているようです。

しかし、武田信玄(松平健さん)からの、「駿府を落とし、氏真(尾上松也さん)は掛川に逃げ延びた。急いで掛川を攻めよ。」との書状に進軍を急かされます。井伊のことで時間を取っていられないのです。戦を進める上では、井伊より近藤達の方が頼りなのは、明白でした。

家康は、牢に入れられた直虎と会います。直虎は、「二心ない証しに、しの(貫地谷しほりさん)も人質に出しているし、約束通り井伊家を再興して欲しい。」と懇願しますが、家康は頭を下げたまま何も言わず、そのまま去っていくのでした。

家康も武田からの圧力、井伊の戦力不足、近藤達の言い分、色んなものに挟まれ、こういう決断をするしかないのでしょう。

どこかの歴史番組で、司会の人が、現代の日本人は家康のような人の生き残りで、そのDNAがあると言っていました。災害への備えはもちろん、家康のように色んなところへ気を遣い、空気を読み、バランスを取ることが生き残る力になってしまっています。この場面を見るだけで、どうして家康がこんな態度をしたのかが、理解出来てしまう現代の私です。

直虎と政次の身柄交換

隠し里で政次は、なつに膝枕をしてもらっていました。かつて直親(三浦春馬さん)に、隠し里のことを今川から咎められた時、全部責任をなすりつけられたことを、笑い話にしてなつに聞かせ、穏やかな時間を過ごしていました。

なつの袂に入っていた白の碁石が、政次の頭に当たり、なつは、政次の着物に入っていたと説明します。政次は、それを眺めると、考えるそぶりを見せました。なつは、目隠しをして「今はなしです。」と幸せな時間を邪魔されないよう、政次に考えを止めるよう振舞います。

政次は、にこりと笑うと、また膝枕に戻るのでした。

これが、本当に最後の幸せな時間になりました。なつは、分かっていたのでしょうね。

家康は掛川への進軍の為、井伊谷を出発。井伊谷は近藤の隊が留まることになりました。南渓和尚は近藤に直虎の身柄を返すよう、お願いに行きます。

「但馬と引き換えならば、すぐにでもお返し申し上げましょう。」近藤は言います。南渓和尚は、近藤の前で直虎と面会し、政次をどこへ逃がしたかと聞きます。

「井伊の為に何をなすべきか、落ち着いて考えよ!」と牢越しに直虎の手を握り、説得します。その際にメモを渡します。政次は何もやっていないと、ずっと興奮していた直虎は、「考えてみます。」とおとなしく引き下がりました。近藤と南渓和尚が去った後、直虎はメモを見ます。

龍潭寺に戻った南渓和尚は、直之に連れてくるよう頼んでおいた、龍雲丸(柳楽優弥さん)とモグラ(マキタスポーツさん)に会います。

「尼小僧様は、どこに連れて逃げりゃいいんだ?」龍雲丸は聞きます。龍雲丸に、牢破りを頼んだようです。龍雲丸は以前、近藤の土地から木を盗んで捕らえられた時も、牢破りしていましたもんね。気賀に逃がすよう、南渓和尚は頼みます。

傑山は、「政次を突き出すのかと思っていた。」南渓和尚に話します。南渓和尚は「二人して落ち延び、そこで再起を図ればよい。」と考えていたのです。

その頃、政次は井戸の前にいました。なつに渡された碁石を見ていました。その表情は何か吹っ切れたような、諦めたような、落ち着いた表情でした。

直虎は、龍雲丸に逃がしてもらう旨の、南渓和尚のメモを牢の中で見ていました。そこへ、近藤の家臣に捕らえられた政次が、連れてこられます。近藤の寝首を掻きに来たと言うのです。

直虎は信じませんが、近藤の手首には刀傷があり、本当に政次は近藤を襲った様子です。

直虎は、「しのまで差し出して徳川に付こうと話したではないか!」と政次を責めます。

「もう少しであったものを。もう少しで首が取れたものを。信じておられたとはおめでたい。」と政次は言います。直虎は牢から連れ出され、代わりに政次が牢に入れられます。

近藤は、牢に入れられた政次に話しかけます。「まさか、かような山猿に足をすくわれるとは思われなんだか?おぬしはとうに、わしを騙したことなど忘れておるだろうの。取れるものは取る。取れる時にの。悪う思われるな。世の習いじゃ。」政次は、何を言っているのか分からないと言うのでした。

第23回「盗賊は二度仏を盗む」で、井伊が、龍雲丸たちに木の切り出しを頼んでいるのが近藤にバレて、前に木を盗んだ罪で、龍雲丸を引き渡すよう近藤に要求されたが、逃がしたことがありましたね。そのことを言っているのでしょうか?

直虎、政次の意図を測る

牢から出された直虎は、龍潭寺に行き、龍雲丸に政次を連れ出すように頼みます。直虎は、直親を失った時のような目に、二回も遭いたくなかったのです。

しかし龍雲丸は、政次に断られたと帰ってきます。龍雲丸は、碁石を政次からの言づてだと言って渡します。龍雲丸は、政次が言っていたことを話し始めました。

政次は「殿や俺は、逃げればいいかもしれぬ。しかし、恨みが晴れなければ、隠し里や寺、虎松様、民百姓。何をどうされるか分からぬ。そして、井伊にはそれを守り切れるだけの兵がおらぬ。俺一人の首で済ますのが最も血が流れぬ。」と言います。龍雲丸は、「あんたがいなくなりゃ、あん人は誰に頼りゃいいんだよ?」と詰め寄りますが、「和尚様もおるし、おぬしもおるではないか。」と言います。

龍雲丸は怒って「ごめんこうむらぁ!大体、あんたそれでいいのかよ!このまま行きゃ、あんたは井伊を乗っ取った挙句、罪人として裁かれるってことだろ?悔しくねえのかよ!井伊の為にって、あんなに!誰よりも!駆けずり回っていたのは、あんたじゃねえのかよ!」龍雲丸は政次の両肩を揺すりながら、力いっぱい説得します。

井伊が徳政令で取り潰される直前、方久(ムロツヨシさん)から事の次第を聞き出し、駆け回っていたことを龍雲丸は見ていました。

しかし、政次は静かに「それこそが、小野の本懐だからな。忌み嫌われ、井伊の仇となる。恐らく、私はこの為に生まれてきたのだ。」と言います。

龍雲丸はそれを聞くと政次から手を離します。「分かんねえわ。俺にゃあ。」と言うと、「分からずともよい。」と政次は静かにほほ笑むのでした。

政次が話している間からの音楽は男性の声の、賛美歌のような音楽で、死ぬ人を迎えに来ているような演出でした。とうとう、その時が来たと感じさせるものでした。

話を聞いて直虎は、すぐに政次と話そうと動きますが、「あの人はやりたくてやってんだよ!」と言って龍雲丸が止めます。「政次は幼い頃から家に振り回され、踏み潰され、それの何が本懐じゃ!」直虎は納得できません。

「井伊ってのは、あんたなんだよ!あの人の言う井伊ってのは、あんたのことなんだよ!小野って家に生まれたことで、振り回されたかもしれねえ。つらい目に遭ったかもしれねえ。

けどそんなもん、その気になりゃ、放り出すことだってできた。

そうしなかったのは、あの人はそれを選んだからだ。あんたを守ることを選んだのはあの人だ。だから本懐だって言えんでさ。」龍雲丸はさらに直虎を説得します。

「守ってくれと頼んだ覚えは一度もない!」直虎は叫んで駆け出しました。傑山が追いかけます。

直虎は、井戸の前に座り込んでいました。傑山が見守ります。様子を見に来た南渓和尚に、「これは一体、どういうことなのでしょうね。私に次の手を打てという事なのでしょうか。」と碁石を見つめながら尋ねます。

「誰よりもあやつのことが分かるのはそなたじゃろう。答えはそなたにしか分からん。」南渓和尚は返します。

直虎は考えます。今までの言葉を思い返しながら、考えます。

「そなたをうまく使う。」領主になった時、直虎は政次にそう言いました。政次の死を、うまく使うのです。使う為にはどうするべきか、直虎は考えるのでした。

政次、磔の刑に処される

政次が磔になる日が来ました。政次は、牢の中で辞世の句を書きます。そして処刑場に連れて行かれます。直虎も南渓和尚らと共に処刑場に向かいました。

十字の形の木に、政次が張り付けられ、持ち上げられます。二人の兵が槍を持って政次の両脇の位置に立ちます。

近藤の合図と共に槍を突こうとした瞬間、直虎が近くにいた兵の槍を奪い、政次の胸を一突きしました。突然の出来事に皆、言葉を失います。

「地獄へ落ちろ!小野但馬。ようも、ここまで我を欺いてくれたな!遠江一、日の本一の卑怯者と未来永劫語り伝えてやるわ!」直虎が言い放つと、政次は笑いながら、口から血を吐き出し言います。

「笑止!未来など、もとより女子頼りの井伊に未来などあると思うのか!生き抜けるなどと思うておるのか!家老ごときに、たやすく謀られるような愚かな井伊が!やれるものならやってみよ!地獄の底から!見届け…」

そう言いかけると、政次は息絶えました。血が口の中にあって、話しづらいのに、それをものともせず、力いっぱい、直虎に向かって叫びました。

直虎は槍を地面に落として、お辞儀をし、その場を去りました。

「白黒を つけむと君を ひとり待つ 天伝う日ぞ 楽しからずや」

政次の辞世の句です。本当にこんな句を残したのでしょうか?先に死んで待っているということでしょうか?最後の最後まで直虎を思っていた、ということでしょうか!?

中原中也の詩集「山羊の歌」にある「無題 Ⅲ」の、「私はおまへを愛してゐるよ、精一杯だよ。いろんなことが考へられもするが、考へられても それはどうにもならないことだしするから、私は身を棄ててお前に尽さうと思ふよ。」という部分が、政次の思いに近いと思いました。

壮絶な最後でした。処刑になるとは史実なので分かっていましたが、直虎が刺すとは!予想をはるかに超える残酷さでした。そこまでする必要があったんでしょうか?

逃げて欲しかったです。なつと亥之助はどうなるんでしょう?男子はやはり殺されてしまうのでしょうか?

番組終わりの「直虎紀行」で、小野一族の話がありました。小野家代々の墓は龍潭寺にあるそうです。しかし但馬の墓はなく、処刑されたとされる蟹淵に近いところに但馬のものとされる供養塔があり、地元の人が鎮魂の為に建立したと伝えられるそうです。

供養塔が映っていましたが、石が古く、本当に昔からあったものだと思いました。こうやって地元の人にやってもらったということは、但馬という人は愛されていたんじゃないでしょうか?

のちに徳川が天下を取るので、残った天下人としては、悪い家老を処刑したという話にしたかったのではないかと思いました。但馬は悪者にされたのでは?と考えます。

次回は、堀川城が攻められるようです。徳川は、掛川に行くのに海沿いを進軍するために浜名湖経由で向かうのでしょう。
堀川城の戦いも壮絶なものになるようです。

次回、第34回「隠し港の龍雲丸」、続けての悲劇は見たくないです。

おんな城主 直虎 第34回のあらすじとネタバレと感想。