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療育とは?公的、民間?その種類と効果とポイント。

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「療育」と聞くと、障害者がするもの。という認識の方もいらっしゃいますが、発達に遅れがみられたり心配な面がある小さなお子さんが、成長を促すことを目的として行われることもあります。

「治療」と「教育」を合わせたもので、いくつかの種類があります。

療育を受けるのに療育手帳や精神障害者手帳は必要ありません。障害の認定がないお子さんでも受けることができるのです。

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集団で受ける放課後等デイサービスなどと、個別または少人数で受けるものがあり、ここでは個別または少人数で受ける、より治療に近い療育について詳しくご紹介したいと思います。

公的に医療機関で行われているものと、私的に個人や団体で行われているものに分けて、その内容と効果についてお話ししたいと思います。

目次

公的に医療機関で行われるもの

自治体から発行される「受給者証」が必要になります。療育手帳や精神障害者手帳は不要で、医師が療育が必要だと認めれば受給者証は発行されます。

受給者証の交付を受けると国と自治体から利用料の9割の給付を受けることができ、自己負担額は1割で受けることができます。

基本的には個別で1回45分程度で、月に1~2回ほど受けます。お子さんが小さいうちは付き添いの人が同席します。

言語療法(ST)

口の中の操作や脳機能、聴覚の専門家である言語聴覚士が行います。

その子が持っている、自分の気持ちを伝えることができる方法を探り、言葉だけでなくジェスチャーや絵カードなどを使いながら、コミュニケーション能力を高めていきます。

理学療法(PT)

基本的な身体の動かし方の専門家である理学療法士が行います。

その子の骨格や筋肉・関節の状態を見て、立つ・座る・歩く・ジャンプするなど、基本的な動作の発達を促す運動をします。

作業療法(OT)

身体の応用動作の専門家である作業療法士が行います。

その子の手指の動かし方を見て、お箸やハサミが使えるように折り紙や塗り絵などで練習したり、姿勢を保つことができるように訓練したりします。

私的に民間団体などで行われるもの

芸術療法と言われるもので、表現活動によって子供の発達を促します。受給者証を持っていても給付の対象にはならないので、全額が自己負担になります。個別制と少人数制があります。

先の医療機関で行うものは、療育を受ける必要があるかどうかは医師が判断し、目標も設定してくれますが、こちらの民間で行う療育は、受けるかどうかは保護者の判断になります。なのである程度の知識を保護者も持つ必要があります。

音楽療法

音楽を聴きリズムに合わせて打楽器を鳴らしたりすることで、コミュニケーション能力を高めます。共感したり創造力を働かせたりすることは、感情を理解し心を安定させる効果があります。

発達障害は脳の機能障害です。大脳皮質の各領域のつながりに問題があると考えられています。音楽を聴くことで、このネットワークを調整することができる可能性があります。

絵画療法

絵は形や色を通して自己の感情を表現することができます。そしてそれを自分が可視化することで、その感情を客観的に見ることができ、理解を促します。感情の理解が苦手なお子さんがこれを繰り返すことで、自己の理解を深め、自己肯定感を高めることができます。

それは他者の感情を理解することにもつながり、それが人間関係を築く上で大切であることを学びます。

療育のポイント

療育に付き添う大人の役目

お子さんの年齢が小さいほど、その内容は一見すると遊んでいるだけのように見えます。ですが一番大切なことは「楽しくやること。」です。その子が苦手としていることを発達させようとするものですから、まずは本人が、「やってみようかな。」と思うことが大前提です。それがスタートラインなので、本人をその気にさせるような工夫が必要です。

具体的には、療育の場所へ時間通りに到着出来たら褒める。始まりの挨拶ができたら褒める。療育中もたくさん褒める。終わりの挨拶ができたらたくさん褒める。

そして療育が終わったら好きなおやつを食べたり、台紙にシールを貼っていっぱいになったら好きなおもちゃを買ってあげたりといったことも効果的です。

保護者の役目

療育は短期的・長期的な目標を立てて行われます。家族がその内容をよく把握しておくことで、日々の生活の中で療育の成果が出たことに気が付くことができます。それを先方に伝えることで、常に適切な療育を行うことができます。

また日々の生活の中で、家族ができる小さな療育があります。本人がやりやすいような仕様にしたり、療育中と同じように塗り絵に取り組むなど。そういったことも家族のみんなで協力出来たらいいですね。

でも家庭では本格的な療育をするのはやめましょう。療育はあくまで専門家が一定時間に行うもので、家庭では補助的なことにとどめましょう。常にハードルを設けられると、お子さんは疲れてしまいます。家庭の一番の役割は甘えられる環境です。

また療育はすぐに結果がでるものではありません。それは「できない・わからない」ことが「できる・わかる」ように変化している過程の時間があるからです。よく見ていると、それまで目に留めていなかったものを見るようになったり触れてみたりと、小さな変化があります。それを長い目で温かく見守ってあげてください。

最後に

療育と一言で言っても、種類によって内容はさまざまです。どの療育が適切なのかは、障害の程度ではなく種類によって変わります。始めるのはだいたい3歳ごろからです。

療育は受けないデメリットは計り知れないものがありますが、受けることによるデメリットは何もありません。なのでお子さんの成長に心配なことがあれば、心配しているより療育を受けてみましょう。些細なきっかけや新しい刺激によって、それまで全くやろうとしなかったことを自分から取り組むようなる。ということもあります。

療育は早期に始めることも大切ですから、成長を促すために専門家のアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

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