日本においては、初夏から初冬に掛けてよく台風がやってきます。

台風によっては、「雨」の被害が大きい場合、「風」の被害が大きい場合、あるいは「雨と風」両方の被害が大きい場合など、過去にも様々特徴を持った台風が上陸しています。

一方、最近になって、「気象衛星」の活用が進み気象予報の精度が向上したことで事前対策が容易になり、被害の拡大防止に大きな成果を挙げています。しかし、台風というものは、いくら予測し易くなったとは言え、悲しいことに台風そのものを人の力で抑え込むことは不可能です。

特に近年になって、これまでの常識が当て嵌まらない「爆弾低気圧」と言った言葉が示すように、身近でも想定外の出来事が増加しつつあります。

これから私たちは、自らの意思でより確実な避難対策を考えるべき時代が到来しているのかも知れません。

台風は、どうして発生するの?

「台風」が発生するメカニズムは、赤道近辺の暖められた海水から大量の水蒸気が蒸発し一定程度の高度まで上昇すると、周りの空気で冷却されることで凝縮し細かな水滴(雲粒)になります。

この時、海水の「蒸発と凝縮のサイクル」を繰り返す過程で発生する熱が低気圧のエネルギーになります。

暖められた海水は、海流や風によって他の海域に移動しますが、その際に陸地や海水同士の摩擦によって絶えずエネルギーを消耗することになります。

また、その摩擦によって海水がかき混ぜられることで海水温が下がり、蒸発量が少なくなれば自然とエネルギーが消滅してしまいます。

しかし、時としてこのエネルギーが補給され続けて大きく成長すると、低気圧から台風に変化するのです。

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気象庁は、赤道近辺で発生する熱帯性低気圧の内、10分間の平均最大風速が「17m/sec以上」に発達したものを「台風」と呼んでいます。

台風は、どうして発達するの?

「台風の一生」は、大きく分けると4つのステージに分類されています。

第1の「発生期」とは、熱帯の海上では海水の蒸発によって上昇気流が生じ、これが継続すると上空では雲が集合して「積乱雲(入道雲)」ができます。やがて積乱雲が複数発生すると「渦巻き」を形成し始め、次第に渦の中心付近の気圧が大きく下がり「熱帯性低気圧」が誕生します。その「渦巻き」の風速が17m/secを超えると台風と命名されます。

第2の「発達期」とは、台風になってから中心気圧が最も低下するまでの期間を言い、この頃から風速が段々と大きくなります。

第3の「最盛期」とは、中心気圧が最も低く且つ風速が最も早い期間を言います。この頃から進路が北に変わり、中心付近の風速は徐々に低下するが強い風の範囲は逆に広がります。

第4の「衰弱期」とは、進路が北上するに伴い、海水温の低下と陸地との摩擦によってエネルギーが減衰し、熱帯性低気圧や温帯性低気圧に変わります。

台風の進路は、どうして決まるの?

台風自体は推進力を持っていませんので、基本的には風の向きに進路が左右されます。

台風が発生する赤道付近では、地球の自転の影響を強く受け西に向かって流されていきますが、緯度が高くなるに従って次第に北上し始めます。そして、中・高緯度に達すると途端に「偏西風」の影響を受け始め急激に北東よりに進路を取ります。

日本の台風が沖縄付近から急に東方に進路を取とり、近畿・東海を経て東北を通過する頃には、日本付近の上空に張り出している寒気に触れて、次第に勢力が衰え「温帯性低気圧」に変化してしまいます。

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台風の番号や名前は、どのように付けるの?

台風の「呼び名」は気象庁が付けますが、毎年1月1日を起算日として「発生した順番」に「第1号」から順次番号を付けていきます。

台風に認定され付番された後に熱帯性低気圧に変化しても、再び台風として復活した時は、もう一度同じ番号が付番(復活)されます。

特別に被害が大きかった台風の場合は、気象庁が「固有名詞」を付けるケースがあります。

ちなみに、カンボジアの場合は、あらかじめ「140個の名称」が用意されており、使い切ったら、また元に戻る方式を採用しているとのことですが、大体5年位で一巡することになるそうです。

世界の台風の呼び方

世界各地で発生する台風は、地域ごとに色々な呼び方をされています。

日本を含む北太平洋・アジアでは、台風又はタイフーン(Typhoon)と呼ばれています。

アメリカなどの北中米ではハリケーン(Hurricane)、その他の地域ではサイクロン(Cyclone)と呼ばれています。

呼び方は違いますが、どれも熱帯性低気圧の構造を持っているという意味では、同一気象現象に分類されています。

ちなみに、気象庁が外国に台風情報を英語で提供する時には、その最大風速に基づいて、下表の3階級に分けています。

階級の呼称

最大風速

備考

TS(Tropical Storm)

約17/sec以上25m/sec未満

海上強風警報に相当

STS(Severe Tropical Storm )

25m/sec以上33m/sec未満

海上暴風警報に相当

TY(Typhoon)

33m/sec以上

海上台風警報に相当

最後に

台風のメカニズムを理解することで、少しでも身を守るヒントになればと思っています。

また、日々の備えを進めて、常に安全を心掛けたいものです。